アイリス・アプフェル 96歳のファッショニスタって?

シルバーヘアに大きな丸メガネ、幾重にも身につけられたアクセサリー。センス抜群、遊び心たっぷりの装いに身を包んだアイリス・アプフェル氏(以下敬称略)をご存知でしょうか?独特のスタイルで注目を集める彼女は、現在96歳の現役実業家です。ファッション業界内で一目置かれ、ニューヨークのカルチャーシーンでも影響を与えていたアイリス・アプフェルは、昨年ドキュメンタリー映画の題材として取り上げられるほど。世界的なファッションアイコンとしてのアイリス・アプフェルは、そのファッションセンスだけでなく、考え方や生き方においてお手本にしたい数々の要素を持ち合わせた女性です。

 

アイリス・アプフェルの経歴


1921年8月29日、アイリス・アプフェルは、弁護士でブティック経営者の母とインテリア装飾家の父との間に生まれます。ビジネスのセンスとおしゃれのセンスは、両親から受け継いだのかもしれませんね。幼い頃から感性が豊かだったアイリス・アプフェルは、ニューヨーク大学では美術史を学びます。

卒業後は憧れていたファッション業界に入り、編集者を目指すものの雑用係に。その後、自分に合う仕事を求めて退職し、インテリアデザイナーのエリナー・ジョンソン氏の元で働き始めます。1940年代当時、戦時中でありながらもパークアベニューの上流階級からは多くの仕事の依頼がありました。働いているうちに「自分で飾ってみたい」と強く思うようになったアイリス・アプフェルは、インテリアデザイナーとして活動を始めます。


1948年、アイリス・アプフェルは広告会社エグゼクティブだったカール・パテル氏(以下敬称略)と出会い結婚。1950年代初頭には、夫婦でテキスタイルデザインの会社を設立します。アンティークの生地を正確に再現する専門店で、セレブリティの自宅からメトロポリタン美術館など歴史的建造物の内装まで多岐に渡る仕事を手掛けました。

アイリス・アプフェルが夫婦で手掛けた仕事の中で一番大きな案件は、ホワイトハウスの内装修復プロジェクトです。9代の歴代大統領在位期間中という長きに渡る仕事でした。世界中を飛び回り、内装に合った貴重なテキスタイルデザインの情報を集め、持ち帰り、再現。修復に尽力しました。商業と芸術の波が勢いづく1950年代のニューヨーク。社交界にも精通していたアイリス・アプフェルは、その独特のスタイルで一目置かれ始めます。


アイリス・アプフェルが世界中で知られる転機が訪れたのは、2005年。メトロポリタン美術館から企画展の白羽の矢が立ちました。当時84歳、まだ業界外ではあまり知られていないアイリス・アプフェル。彼女のファッションに以前から注目していたメトロポリタン美術館は、アイリス・アプフェルの持つファッションコレクションの展示を打診します。

展覧会「Rara Avis: Selections from the Iris Apfel Collection」は口コミで評判を呼び、驚異的な動員数を記録します。全米の各都市へも巡回し、その名を広めることとなりました。類まれなるそのファッションセンスから、ヴォーグ誌、ハーパースバザー誌など数々の一流ファッション誌からお呼びがかかり、特集されます。他にもアイリス・アプフェルは、KATE SPADEの広告に出演、M・A・Cとのコラボ商品を企画、大手TVショッピング番組で服やアクセサリーの販売に携わるなど、年齢を忘れてしまうほど、精力的に活動をしています。

参考:映画『アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー』

 

アイリス・アプフェルの格言

アイリス・アプフェルのファッションやものごとに対するこだわりは、インタビューや映画で飛び出した名言から伺えます。それでは、アイリス・アプフェルの心をすくような言葉をご紹介しましょう。

アイリス・アプフェルの格言① 自分のスタイルを持つことで、自分の考えが生まれる


自分が今着たい服はどんな服か、どのように着たいのか。流行にとらわれず、誰かの評価を気にするのでもなく、自分の本当に着たい服を着ること。ファッションに人間が反映される、考えが宿るといっているようにも聞こえます

 

アイリス・アプフェルの格言② やってみないことには始まらないわ。たった一度の人生だということを忘れないで


インテリアデザイナー、テキスタイルデザインの業界で成功したアイリス・アプフェルですが、天職に出会うまでは、自分に合う仕事を探して、多くの仕事を転々としたそうです。たった一度の人生で自分に合うものに出会うためには、とにかくやって試してみることが大切だと告げています。それは、仕事だけではなく、他のことにもいえるのかもしれません。

 

アイリス・アプフェルの格言③ インスピレーションを探すことに必死にはならないわ。それはふとした瞬間に沸くものだから。虫を踏んでしまった時とかにね


自分のことをよく知っているアイリス・アプフェルは、自分の感性を信じているのでしょう。慌てることなく、時には待つことも大事だと諭されているようです。ただし、インスピレーションが沸いたら、きちんとキャッチする能力も身につけておく必要がありそうです。

 

アイリス・アプフェルの格言④ 毎日、無難なことを繰り返すくらいなら、いっそ何もしなきゃいい


アイリス・アプフェルを動かしている一番大きなエネルギーは「楽しむこと」。仕事もファッションも家庭も「楽しむこと」でどんどん道がひらけ、さらに人生が楽しくなっていった彼女の経験があるからこそ、グッとくる言葉です。

アイリス・アプフェルの格言⑤ センスがなくても幸せならいい。みんな好きな服を着るべきだもの


センスの塊ともいえるアイリス・アプフェルだからこそ、いえる言葉ではないでしょうか。センスが幸せをくれることがあっても、センスがないと幸せになれないわけじゃない、と教えてくれています。もっと自分を楽しませるために、好きな服を思い切って着てみようと思わせます。背中を押してもらったような気持ちになる言葉ですね。

 

アイリス・アプフェルの格言⑥ 自分を美人だと思ったことは、一度もない。私みたいな女は、努力して魅力を身につけるの。色々なことを学び、個性を磨くのよ


生まれ持った顔立ちやスタイルよりも、自分を見つめ、あらゆることを学び取る姿勢が大切。自分自身を磨き続けることで、年を重ねるごとに美しく魅力的になれるのです。96歳の現在も輝くアイリス・アプフェルの姿を見ると、説得力がありますね。

 

次ページ:話題作!『アイリス・アプフェル!94歳のニューヨーカー』

 

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